2020年10月13日火曜日

蜜蜂と遠雷

 今回ご紹介させていただく本は、「蜜蜂と遠雷」というお話しです。











恩田陸さんの作品で、幻冬舎文庫から発売されている、上下巻の2冊ものです。











このお話も、映画化(松岡茉優さん、松坂桃季さんなどが出演)されているので、映画を見られた方もたくさんいらっしゃるかともいます。











私も、映画も見ましたが、これは、本の方が、その時々のその人の心理描写がよく表れていて、おもしろかったですよ。


この話は、若きピアニスト達の、あるコンクール通しておこる様々な思いを描いた作品なんです。


音楽が趣味の私に、書店で働く娘が、初めて選んでくれた作品なんです。



それぞれが主人公


このお話しで主人公となるのは・・・・


一人目が、自宅に楽器を持たない16歳の少年。


実は、からがとてつもない才能の持ち主で、自分のピアノを持っていないのに、素晴らしい演奏をするんです。


また、この少年は、楽器を持っていないのに、伝説のピアニストに師事していて・・・


そのピアニストは、めったに弟子をとらないのに、この少年の才能を見つけ、特別な方法で指導していくんですね。


その少年の環境に、周りの人のひがみや妬みがからまり、様々な思いが駆け巡るんです。


そして、二人目が、天才少女として華々しくデビューをしたのに、母の死をきっかけにピアノが弾けなくなり、音楽の世界から遠ざかっていた20才の女性ピアニスト。


このコンクールを通して、母の死と向かい合い、そして乗り越えていく姿。


そして、新たな自分を見つけ、より羽ばたき始めるきっかけとなるんです。


三人目が楽器店勤務のサラリーマンぽアニスト。


コンクール出場は、年齢的にもこれが最後と言われ、自分が特別な才能を持ち合わせていたい事は築いているけれど、それでもこれであきらめて、音楽の世界から離れるしかない現実を受け止めきれず、最後のチャンスと思い応募。


地道な努力の中で、確実に力をつけ、一歩一歩会談を上る姿は、多くの人に感動を与えるのではないでしょうか。


かくいう、私も、特別な斎野は持ち合わせていないのですが、それでも音楽が好きで、プロではなくても、ミュージシャンとしての活動を、これからもしていきたいと思ています。


そんな私へのエールのようにも思えました。


そして、このワラリーマンピアニストが、今クルーをとして、決断した未来とは・・・・。


最後の主人公は、才能あふれる若き天才ピアニスト。


高い技術と音楽性を持ち合わせ、今回のコンクールの最有力候補とうたわれるほどの逸材。


この青年のピアノを始めるきっかけにもドラマがあったんです。


これらの4人の主人公と、彼らが師事する指導者、そして、音楽に関わるたくさんの関係者の様々な思いが、このコンクールを通して描かれているんです。




最高峰のコンクール


このコンクールは、近年、その覇者が音楽界の寵児となる・・・と言われるほど、世界的に注目を集めているコンクールで、若きピアニストの登竜門ともなっているんです。


それだけに、主人公の4人だけでなく、このコンクールに参加したすべてのピアニストが、たくさんの熱い思いを胸に抱えて出場しているのです。


その、それぞれの思いが、この話の随所に現れていて、プロを目指す音楽家の思いが、暑く描かれている作品なんです。


そこが、この作品の素晴らしいところで、主人公が当然メインで描かれているのですが、それを取り巻く出場者や、彼らを指導してきた指導者等の心の動きも描かれているんですよ。


映画だと、こういったところが、やはり時間的な制約などからだとは思いますが、あまり表現されていないので、物足りなさを感じてしまいました。



予選から本線へ


このコンクールは、第一次予選、第二次予選、第三次予選、そして本選と、それぞれに難易度の高い課題が課せられているんです。


それぞれの課題に対する取り組み方、それぞれの表現など、活字ならではの奥の深い描写は、本を読む醍醐味に通じているのではないかと思います。


独創的な表現で、いつも聴衆をおどろかせる16歳の少年。


確かな技術で、確実に聴くものの心をとらえていく若き天才ピアニスト。


譜面を読み、作曲者の思いを考えて考えて考えて・・・思い悩みながらも、自分の表現を探し続けるサラリーマンピアニスト。


そして、母の死を乗り越えることで、新たな表現を手に入れた天才少女ピアニスト。


それぞれが、環境こそ違えど、音楽に対する熱い思いは変わらず、それぞれが、自分のできることを精一杯やりつくし、それぞれの戦いに挑む姿が、目に浮かんできます。


やはり、これだけの感情や思いを表現するには、活字でなければ、伝えきれないでしう。


この本を読み、映画を見て、改めて活字の素晴らしさ・・・・


そして、表現の幅広さを感じさせられました。


映像は映像で面白いのですが、やはり、この話しに関しては、私は本で読んでいただけたらと思います。


是非、音楽に興味のある方は・・・


いえいえ・・・


音楽に、あまり関心のない方でも・・・


上巻と下巻の2冊構成ですので、読みごたえもありますが、はまるとあっという間に話が進んでいきますので、是非お手に取って、本の楽しさ、素晴らしさを体感してくださいね。






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